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ワークショップデザイン
ファシリテーション実践ガイド

ワークショップの基本から活用する意義、プログラムデザインやファシリテーションのテクニック、企業や地域の課題解決に導入するためのポイントや注意点について、最新の活用事例と研究知見に基づいて解説します。
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PROJECT DETAIL

新しい価値や意味を生み出すプロセスを学ぶ、創造性育成カリキュラムの開発と展開

最先端の実践教育を提供し、様々なクリエイティブ業界に優秀な専門的な人材を輩出しているバンタン。創造力を養い、ものごとに向き合う姿勢や気付きの感性を育てる「バンタン創造性開発プログラム」のうち、新しい価値や意味を生み出すプロセスを学ぶためのカリキュラムを共同開発し、授業を展開しました。 計5回の授業を東京2クラス、大阪1クラスで半年に渡って実施。1学年にあたる学生たちが、それぞれの想いを大切にしたアイデアを生み出し、プレゼンテーションを行いました。

  • Client

    株式会社バンタン

  • Period

    5ヶ月

  • Member

    小田裕和、安斎勇樹

PROBLEM課題

専門的な職能に加えて求められる創造性

様々な専門領域を抱えるバンタンですが、単に専門的な職能を身につけさせるだけではなく、自ら主体的に課題設定を行ったり、アイデアを考えたりするような、考える力を身につけてもらうことが重要であると考え、独自に「バンタン創造性開発プログラム」のカリキュラム開発、展開を行っています。新たな価値を生み出す人材の育成に向けて、「ものごとに向き合う姿勢」や「気付きの感性」、そしてアイデアを生み出す力を養うために、カリキュラムの一旦としてミミクリデザインにプログラムの開発と実施を依頼いただきました。

APPROACH実施内容

  • 問いを基軸に据えたカリキュラム設計

    主体的かつ本質的にアイデアを考える力を身につけてもらうためには、短時間で大量のアイデアを生み出すような強制発想法を教えるのではなく、自らが大切にしたいと考える想いや、日々の生活のシーンに対して、問いを自ら投げかける力を身につけてもらうことが重要であると考えました。
    具体的には、まず問いとは何かや問いを積み重ねるプロセスを踏むことの重要性をワークを通して体感してもらいました。次に日常生活の中から小さな気づきを発見するための、一次情報と解釈の違いへの意識や、そうした観察の目の創り方を学習。3つ目の授業では自らの想いや哲学をペアワークを通じて深掘りながら、これまでのワークや日常生活の中での気づきとの結びつきからアイデアを探っていきました。

  • 創り手の想いや熱量を大切にする、スマイルズからのテーマ提供

    授業課題のテーマには、Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)などの事業を展開する株式会社スマイルズに協力をいただき、スマイルズがミッションとして掲げる「世の中の体温をあげる」をテーマとして設定。スマイルズが重視する、想いや原体験といった熱量を重視した事業開発の考え方を共有いただきました。また最終回では、スマイルズ本社にてプレゼンテーションを実施させていただき、実際にクリエイティブに携わる方々に発表の講評をいただきました。

RESULT結果

身近なところにある些細なことからアイデアが生まれることを体感

正解探しのアイデア提案でもなく、単に奇をてらったようなアイデアでもなく、身の回りの小さな物事から違和感を捉え、問いを重ねていくことで、それぞれの学生が多様なアイデアを創出しました。ある学生は、授業の中で学んだ日常の観察の仕方を実践し、満員電車の中は人が多いのにものすごく静かであることに着目。そこから毎日の通勤をちょっとでも楽しくさせるようなアイデアを提案し、その着眼点が高く評価され最優秀賞に選ばれました。
それぞれ違った専門性を持つ学生と一緒に学ぶことは、普段とは違う視座を体感することでもあります。ワークショップの本質である普段とは違う見方を実際に体感しながら、自分ごととしてアイデアを考え生み出し、プレゼンテーションを行ったことで、そうした多様な見方の重要性に気がついてもらうことができたのではないかと考えています。今後さらに専門性を高めることで、今回の経験や学びがより花開くことが大いに期待される最終回となりました。

POINT ポイント

  • 1

    手法的なアイデア生成法ではない、自らの想いを大切にするアイデア創造の学び

  • 2

    日常への目線や、自分の想いの深掘りとそれらを結びつける問いの力を体感

  • 3

    実際に事業を展開するスマイルズへのプレゼンテーション機会とフィードバック