PROBLEM課題
5年後も研修業界のトップランナーとして走り続けるために何ができるか
多様化・複雑化が進む現代社会をリードする組織であり続けるためには、組織メンバーに対する継続的な学習支援が不可欠です。時代の流れによって個人の学びへの向き合い方が変化する昨今、既存の研修スタイルが5年後も通用するとは限りません。人材育成を専門とするトレノケート株式会社では、次代においても顧客に本質的な価値を届け続けるために、既存の手法やスタイルにとらわれない“新たな研修のあり方“を模索したいというニーズを抱えていました。
APPROACH実施内容
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ワークショップのエッセンスを学び、「問い直し」や「楽しさ」を起点とした学習の方法を体得する
同社が長年培ってきた研修スタイルを大切にしつつも、「頭ではなく身体で理解したり、感情が変化したりといった、絶対的な答えのない、曖昧な領域を扱う学びの方法を新たに取り入れていく」ことを前提に始動したのが本プロジェクトです。ワークショップデザインの技能習得を切り口として、自身の経験や価値観を多角的な観点から問い直し、新たな気づきを得るワークショップ独自の学びのあり方に触れられると同時に、ワークショップそのものの楽しさを肌で感じられるプログラムを構成しました。
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ワークショップデザインのノウハウを、講義と体験で学ぶ
プロジェクトには数年から数十年のキャリアを持つ講師10名9チームが参加しました。約4か月、計5日の実施期間中は、「講義」「体験」「演習」の3つのパートを組み合わせ、インプット(講義など)とアウトプット(制作や活動など)を往復しながら、ワークショップデザインに必要な知識と考え方、スキルの獲得を促しました。「講義」ではワークショップのエッセンスやプログラムデザインの基礎知識について、研修・講義の設計における基本的な考え方であるインストラクショナルデザインと比較を踏まえて解説。その後、ミミクリデザインのプロジェクトメンバーが設計・実施するワークショップを「体験」したのち、そのワークショップの設計上の意図やポイントを再度「講義」形式で学んでいきました。実践と振り返りを往復することでワークショップの本来的な学習のあり方に触れ、理解を深めました。
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ワークショップデザインの「運営」「企画」「評価」を協同的に学び、“新たな研修のあり方”を探求する
「演習」では、各自が取り組みたいと思えるオリジナルワークショップをフルパッケージで制作する課題を設定しました。まずは「講義」と「体験」から学んだ知見をもとにコンセプトとメインワークを制作。それらを模擬的に実践したのち、参加者同士でフィードバックをし合うなど、協同的なワークを合間に組み込むことで、多角的な観点からワークショップを洗練させていくプロセスを設計しました。ワークショップデザインに必要な「企画」「運営」「評価」の方法を学び、既存の研修との結びつきや、プロジェクトの目的である次代で求められる“新たな研修のあり方”を探求しました。
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RESULT結果
計9つのワークショップを開発。継続的なアップデートのもと、組織メンバーの探求的な姿勢を促進
各参加者が商品化を意識して、自身の専門性や関心領域に沿ったオリジナル・ワークショップを制作しました。本プロジェクト後のアンケートでは、ワークショップデザインの上位概念である学習環境デザインについて学んだことで、研修中の問題をより広い視野で捉え、対処する視点の獲得に繋がったとするコメントなど、物事を多角的に捉え、新たなアイデアを発想する上での姿勢や心構えの習得に関して、好意的な意見が多数寄せられました。
本プロジェクトでは、一方向的に学ぶ講義スタイルだけではなく、参加者が同士で関係し合いながら学びを深めていく設計を行いました。初日から非常に学習意欲の高い参加者10人のモチベーションや熱量も手伝って、最終的なワークショップのクオリティや一人ひとりのワークショップ設計能力の向上が見られました。プロジェクト終了後もこれまで以上に次代で求められる“新たな研修のあり方”を探求していくようになりました。
POINT ポイント
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1
ワークショップデザインの知見を導入した研修デザイン能力の養成
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2
「講義」「体験」「演習」の3パートを組み合わせた実践的プログラム
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3
参加者間の協同活動による探求的姿勢の獲得