PROBLEM課題
世界規模での浸透戦略
資生堂グループは、2015年度〜2020年度の中長期戦略「VISION 2020」実現に向け、全社的に後半3カ年における成長速度を今後さらに加速させていきたいと考えていました。そのためにはビジョン実現に向けた行動指針「TRUST8」をグループ社員ひとりひとりが自分ごととして深く理解し、自らの現場でそれを主体的に実践していけるような状態をつくることが必要不可欠でしたが、資生堂グループ社員は世界中に在籍し、その数は46000人に達します。国籍も業務内容も異なる全社員に対して、「TRUST8」をどのように自分ごととして浸透させていくのか、世界規模での展開を想定したワークショップ設計が求められていました。
APPROACH実施内容
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現場目線で行動指針を"再編集"する遊び心あるワークショップの開発
社員ひとりひとりがそれぞれの目線で「TRUST8」の意味を読み解き、現場に合わせて"再編集"できるような遊び心のあるワークショップを提案しました。具体的には「8つのうちチームにおいて優先順位の低い指針を1つ削除し、新たに別の指針を1つ考案して追加し、チームに合った新たなTRUST8'を作成するワーク」や「TRUST8'が自分たちの職場で実現した姿を、実写ポスターで撮影するワーク」などで構成される2時間のプログラムを開発しました。
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世界展開のための日英版マテリアル・マニュアルの制作と、ファシリテーター育成の実施
全社員に浸透させるためには、各部門・事業所単位で各リーダーが繰り返しワークショップを実施していく必要があります。ファシリテーションの経験がない方でも着実にプログラムを実施できるように、明快なスライド資料、使いやすいツールキット、詳細なファシリテーションマニュアルを日本語・英語のそれぞれで制作し、さらにファシリテーター育成研修や映像教材などでフォローアップすることで、世界中でのワークショップを通した行動指針の浸透プロセスに伴走しました。
RESULT結果
世界中のグループ社員が楽しみながら行動指針を自分ごと化
制作したワークショッププログラムとファシリテーションマニュアルに従って、各部門・事業所のリーダーを中心に、無事にグループの全てのリージョンでワークショップを実践することができました。参加した社員の多くが「楽しかった」と漏らすこのプログラムによって、「TRUST8」が各現場で前向きに解釈され、ビジョン実現に向けた土壌作りを支援することができました。
POINT ポイント
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1
トップダウンの行動指針を、現場目線で再編集するボトムアップ型のアプローチの導入
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2
"組織変革"と"楽しさ"を両立させるための遊び心あるワークショップデザイン
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3
自社内で浸透を推進できるための社内ファシリテーターの育成とフォローアップ