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ワークショップデザイン
ファシリテーション実践ガイド

ワークショップの基本から活用する意義、プログラムデザインやファシリテーションのテクニック、企業や地域の課題解決に導入するためのポイントや注意点について、最新の活用事例と研究知見に基づいて解説します。
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PROJECT DETAIL

生活者に潜む夜の時間の意味を探る、お酒の新コンセプト開発プロジェクト

楽しく豊かな生活を、お酒を通してより豊かにすることを理念に掲げるサッポロビール。多様化する価値観の中で、新しく生まれてくる生活者の夜の時間のあり方を支援する。そんなお酒のあり方をさらに深いレベルで実現するために、コンセプト開発のプロジェクトを依頼いただきました。夜の時間を読み解く活動には、インテージ社のデ・サインリサーチ自主企画調査結果である【夜の時間に潜む意味】の問いによって生成されたマインドディスカバリーマップを活用したワークショップを実施。また読み解いた仮説を元にデプスインタビューも行うことでさらに文脈理解を深め、最後のワークショップで4つの仮説に対して理想の夜の時間のフローやそれを支援する8つのお酒のコンセプトアイデアを生み出しました。

  • Client

    サッポロビール株式会社

  • Period

    5ヶ月

  • Member

    安斎勇樹、小田裕和、小林実可子、森川絢瑛

PROBLEM課題

多様化する価値観のなかで豊かな時間を提供するお酒を考える

様々な酒類の商品を展開するサッポロビール。価値観の多様化に伴って商品のラインナップはさらに膨らむ一方で、高アルコール度数の商品が市場全体でヒットし追従が続いている状況など、コモディティ化が進んでいる側面も存在します。より本質的に生活者の価値観を理解し、新たなお酒や、お酒とともにある生活者の豊かな時間を提案していくことが求められていました。

APPROACH実施内容

  • PAC-iを活用した生活者価値観の深掘り

    生活者の声にならない声を掴むために、インテージ社が提供する、定性/定量の両面が組み合わさったミックス法であるPAC-iによるリサーチと、それによって導き出されるマインドディスカバリーマップを活用。生活者にとっての「夜の時間」を探るマップを元に、1回目のワークショップではマップの中に潜む声をあぶり出し、いくつかの意味の仮説を導き出しました。

  • デプスインタビューによる仮説の整理

    仮説によって導き出された条件を元に対象者を選定し、インテージ主導でデプスインタビューを実施しました。そしてその中から抽出されたインサイトから仮説を、さらに4つの意味仮説としてミミクリデザインのデザインリサーチャーを中心に再整理を行いました。

  • 意味仮説からシーンのイメージとコンセプトを生成

    それぞれ導き出した意味仮説ごとにグループに分かれ、ペルソナのイメージやその意味をベースとした夜の生活のシーンのジャーニーを描き、そこで求められるお酒のアイデアをそれぞれ導き出しました。最後にそれぞれのコンセプトへの投票とディスカッションを展開し、アイデアとして表現しきれなかった多様な解釈を出し切っていただきました。

RESULT結果

4つの意味仮説に対する8つの商品コンセプトアイデアの提案

ワークショップで発表されたアイデアと、これまでの一連のワークショップで出てきたインサイトやディスカッションを元に、最終成果物として味や商品名やパッケージのイメージを含めた、8つのお酒のコンセプト提案を行いました。それぞれの意味仮説や商品アイデアは、現在実現に向けて、サッポロビール社内で検討が進められています。

POINT ポイント

  • 1

    PAC-iやデプスインタビューによる、定性/定量の両面のデータを活用

  • 2

    意味仮説の生成を間に挟んだ、ペルソナやシーンの描画

  • 3

    夜の意味を実現するための、味やパッケージなどを包括的に捉えたアイデア提案