PROBLEM課題
施設の文化を醸成するためのコアプログラムを開発する
SHIBUYA QWSでは、「問い」を通じて渋谷の人々の出会いや交流、創造を支援することをミッションとして掲げ、独自プログラムの展開や幅広いイベントの開催を予定していました。そのような多様な活動の展開のなか、運営元である渋谷スクランブルスクエア株式会社は、施設のミッションやコンセプトが十分に浸透しないまま、形骸化してしまう点を懸念していました。多様性は維持しながらも、SHIBUYA QWSに関わるすべての人が横の繋がりを持ち、お互いの問う能力や感性を高め合えるような文化を、施設全体に根付かせていく必要性を感じていました。
APPROACH実施内容
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問う力や感性を磨き、関係性の質を向上させる短期プログラムの開発
SHIBUYA QWSを訪れた人々が、問いを通じて出会い、問う力や感性を磨きながら、豊かな関係性を築いていくことを目的としたコアプログラム「QWS Cultivation Program」の設計を行いました(通称CP。「CP1:出会う」「CP2:磨く」「CP3:放つ」を実施予定)。2019年に開発を行ったCP1は、全4回のワークショップから成る短期プログラムとして、複数人の間に深い関係性を構築したり、施設全体に特定の価値観を根付かせたりするなど、単発のワークショップではアプローチしづらいレベルの変容をもたらすことを意図した設計が施されていました。
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全4回のワークショップ設計とオープントライアルイベントの実施
「問いへの入り口」「問いの哲学」「問いによる対話」「問いによる出会い」という4つのワークショップから構成されるCP1。「問いへの入り口」では、問いを媒介に他者と交流する楽しさを体感し、続く「問いの哲学」では、問いが果たす役割や可能性について探求します。「問いによる対話」では、他者の問いに対する思いやこだわりに触れ、最後の「問いによる出会い」では、問いによって多様な人が交差(スクランブル)していくために必要な要素を深堀りしてきます。開業前にはオープントライアルイベントを実施。4種類のワークショップをすべて開催し、参加者から寄せられたフィードバックをもとに、さらにプログラムを改善させていきました。
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ファシリテーター育成を中心としたサスティナブルな運営
一連のワークショップはパッケージ化され、今後、様々なファシリテーターによって実施されます。問いによって繋がり、スキルや感性を高め合うという施設の理念をSHIBUYA QWSに関わる一人ひとりに根付かせ、文化醸成をするためには、長期的に安定した運用が必要不可欠です。プログラムを納品するだけでなく、現場においてプログラムが長く効果的に運用されるために、継続的な支援を行っています。
RESULT結果
未来創造拠点として、問いからイノベーションの起点を作る
2019年11月、開業したSHIBUYA QWSにて、“QWS Cultivation Program”の初回が実施されました。20代から70代まで、幅広い年齢層の方にご参加いただき、関心のある問いを共有したり、同じ問いに向き合ったりと、問いを媒介とした交流が生まれていました。今後もプログラムのアップデートを続けながら、SHIBUYA QWSに根付きつつある、問いによって出会い、イノベーティブなアイデアを共創していく文化を、渋谷から社会へと発信していきます。
POINT ポイント
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1
施設に関わる人全てにコンセプトを浸透させる体験型のプログラム設計
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2
問いを通じた出会いや対話を楽しむ場づくり
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3
長期的に運用可能なワークショップのパッケージ化