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ワークショップデザイン
ファシリテーション実践ガイド

ワークショップの基本から活用する意義、プログラムデザインやファシリテーションのテクニック、企業や地域の課題解決に導入するためのポイントや注意点について、最新の活用事例と研究知見に基づいて解説します。
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PROJECT DETAIL

住民参加型で長岡市における地方創生拠点のコンセプトを創造する

新潟県長岡市に2025年にオープンする「人づくり」「産業振興」を支える地方創生拠点「米百俵プレイス(仮)」のコンセプト設計を目的としたワークショップを実施しました。様々な問いの切り口と、遊び心のあるプログラムによって、参加者が楽しみながらアイデアを出し、施設コンセプトの種が生まれました。※本プロジェクトは、長岡市から基本設計業務を委託された株式会社プラネットワークスからの依頼で実施しました。

  • Client

    長岡市・株式会社プラネットワークス

  • Period

    6ヶ月

  • Member

    安斎勇樹、東南裕美、根間美砂子

PROBLEM課題

住民参加型ワークショップに求められる問いの切り口

新潟県長岡市は、中心市街地「大手通坂之上町地区」の再開発事業の一環として、2025年に「人づくり」「産業振興」を支える地方創生拠点「米百俵プレイス(仮)」をオープンする予定です。設計には、住民の意見を取り入れ、施設コンセプトに反映させることが求められていましたが、単に意見を集めるだけでは具体的な仕様に対する要望にとどまってしまうため、住民からの意見の引き出し方に課題を抱えていました。単に住民の意見を集めるだけではなく、施設設計者や行政の予想を超えるアイデアやコンセプトが生まれる創造的なプログラムにすることが求められていました。

APPROACH実施内容

  • 3つの視点による問いかけから、施設のコンセプトを深める

    「人づくり」「産業振興」を支える地方創生拠点としての「米百俵プレイス(仮)」は、地域住民にとっての居場所や図書館としての機能、地元企業にとっての産業振興の拠点、大学生の活動拠点・異業種交流の場といった複数の機能を抱えています。そこで、ワークショップでの議論が浅く中途半端なものとならないよう、3回のワークショップそれぞれで、問いの切り口を変えながらコンセプトを深めていきました。1つ目の切り口は「場の公共性」。施設を訪れる人の居場所としてこの施設がどのような価値を持つのかについて考えを深めました。2つ目の切り口は「地域性」。他の地域にはない、長岡市の魅力を考え、長岡市ならではの地域資源に焦点をあてて議論しました。そして最後の切り口は「将来展望」。この施設があることにより、住民と地域が将来的にどう変わっていくのか、妄想を膨らませて考えました。このようにいくつかの軸を定めで議論を行うことで、施設のコンセプトアイデアを深めていきました。

  • アイデア創発を促す遊び心のあるプログラム

    住民参加型ワークショップを単に「施設に対する要望を聞く場」にすると、「あれも欲しい、これも欲しい」といった具体的な仕様に対する意見にとどまり、設計者や行政の予想を超えるような創造的なアイデアは生まれません。今回のプロジェクトでは、アイデア創発を促す仕掛けとしてLEGOや架空の新聞づくりといった遊びを取り入れたワークを実施したことで、様々な意見が飛び交っていました。

RESULT結果

住民の意見を取り入れた地方創生拠点が2025年にオープン

視点を変えた問いかけや、遊び心あるプログラムにより、参加者の方々から創造的なアイデアを生み出してもらうことができました。全3回のワークショップ終了後には、ワークショップの実施内容および参加者の方々の意見を簡易報告書にまとめ、納品いたしました。本ワークショップで生まれたアイデア・意見は今後「米百俵プレイス(仮)」の施設計画に反映される予定です。
さらに、本ワークショップに連続で参加した参加者からは「米百俵プレイス(仮)」のことが人ごとと思えなくなったという意見もいただき、施設に対する興味関心も高まっていました。

POINT ポイント

  • 1

    公共施設のコンセプトを様々な視点で問い直すことのできる問いの切り口

  • 2

    参加者の創造性を引き出す遊び心あるプログラム