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ワークショップデザイン
ファシリテーション実践ガイド

ワークショップの基本から活用する意義、プログラムデザインやファシリテーションのテクニック、企業や地域の課題解決に導入するためのポイントや注意点について、最新の活用事例と研究知見に基づいて解説します。
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PROJECT DETAIL

自己理解を深め、現在と未来をつなぐキャリア像の形成支援

現場のリアルな理解にもとづく地域の再生と創造のための知識・理論・実践力の獲得を掲げる北九州市立大学地域創生学類からの依頼を受け、1・2年次の学生を対象に、1年間の学びを振り返り、卒業後の未来像を意識しながら今後の学習に取り組んでいく姿勢を養うためのリフレクションワークショップを実施しました。従来のキャリア観と、これから必要となるであろう新たなキャリア観を「旅」に見立て行われた本プログラムでは、まず自身の特性について深堀りし、それらと現在学んでいるカリキュラムとを紐付けながら、今後の未来を歩んでいく自分自身に対するイメージを固めていきました。プログラムの最後には、学生の一人ひとりに「旅の一歩目」となるネクストアクションを発表してもらい、具体性のある学びを持ち帰ってもらいました。

  • Client

    北九州市立大学地域創生学類

  • Period

    1ヶ月

  • Member

    和泉裕之、猫田耳子

PROBLEM課題

変化の激しい社会におけるキャリア教育を再考する

変革していく社会においては、与えられた課題やテーマに取り組むのではなく、自身のやりたいことを起点に行動し、変化の兆しを主体的に見出す力が重要となります。北九州市立大学地域創生学類では、そうした信念に基づき、自身のやりたいことと学習を結びつけ、主体性を発揮できるテーマの発見を目的としたキャリア教育に力を入れてきました。しかしながら、既存のカリキュラムでは特定の地域現場に深く関わる実習活動が多く、大学卒業以降のキャリアと自らのやりたいこととの接続が弱くなってしまう点に課題を感じていました。

APPROACH実施内容

  • 内面の移り変わりを振り返り、自己を深く知る

    1年間の学習を振り返り、今後主体的に深めたいと思える学習テーマの発見を目的としたリフレクションプログラムを実施。まずは、これまでの人生における心身の状態の変遷をチャート状に整理して振り返り、過去にどのような場面で衝動を発揮してきたのか、その在り処を探っていきました。その結果を他者と共有し、語り合う活動を通して、自分のモチベーションが向上する際の要因や、興味関心、問題意識などの自覚を促していきました。

  • 自分自身のキャリアという「旅」について、イメージを固める

    これから社会がますます不確実性を増していく中では、プラン通りに決められた目的地に向かう「旅行」ではなく、たとえ途中で目的を見失ったとしても、自身の衝動に基づいて新たな行き先を選んでいく「旅」をするような姿勢で臨むことが重要です。そうした前提のもと、自分自身のキャリアという「旅」について、「1人旅なのか、気を許した友人との2人旅か」や「どのような旅にしたいか」、「起こりうるトラブルをどう乗り越えていくのか」などの問いを通じて、理解を深めていきました。

  • 描いたキャリア像を現在の自分と結びつける

    続いて、前のワークで描いた自身のキャリア像と、現在学んでいる地域創生学類が設定する4つの学習教科テーマはどのような点で結びつくのか、考えていきました。今現在の自身の強みと弱み、そして今後取り組んでいきたいものに必要な知識と能力を言語化し、それらと現在の自分の学内での取り組みとの関連を、具体的な方法も含めて議論していきました。その後、一人ひとりがこれから理想のキャリアを歩んでいくための具体的な一歩目のアイデアを検討し、発表しました。

RESULT結果

参加学生220人の前でのネクストアクション宣言

最後に行われた発表では、一人ひとりが参加学生全員の前で自身のネクストアクションを宣言していきました。数々の具体的なアクションプランの中には、「引っ込み思案な自分を変えたい」としてこの場で発表することそのものを旅の一歩目に位置づける学生や、自らが携わる課外活動への意気込みを発表する学生など、それぞれが想いをもってその場に挑み、想定以上の盛り上がりを持って、ワークショップは終了しました。

POINT ポイント

  • 1

    学生一人ひとりの個性や衝動の在り処の探索

  • 2

    「旅」をモチーフとしたプログラムデザイン

  • 3

    具体的なネクストアクションの検討・発表