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ワークショップデザイン
ファシリテーション実践ガイド

ワークショップの基本から活用する意義、プログラムデザインやファシリテーションのテクニック、企業や地域の課題解決に導入するためのポイントや注意点について、最新の活用事例と研究知見に基づいて解説します。
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PROJECT DETAIL

高校生の21世紀型スキルを育成する教育プログラム開発(経産省「未来の教室」採択事業)

ネットと通信制高校の制度を活用した新しい高校「N高等学校」の運営を行う学校法人角川ドワンゴ学園から依頼を受け、中高生を対象として21世紀型スキルを身につけるための総合的な教育プログラムの開発を行いました。2018年度はそのトライアルとして、N高生を対象に8日間の連続ワークショップを実施し、プログラムの効果検証を行いました。本プロジェクトは経産省「未来の教室」実証事業の一環として実施しました。

  • Client

    学校法人角川ドワンゴ学園

  • Period

    8ヶ月

  • Member

    安斎勇樹、和泉裕之、東南裕美、田中風花、小畑怜美

PROBLEM課題

ハイレベルな教育プログラムを多種多様な中高生に

N高等学校には約8000人(2019年3月時点)が在籍しており、生徒層も幅広く、様々な特徴や個性、ニーズが存在していました。
生徒の様々な特徴やニーズに対応しながらも、これからの社会を生きていくために必要なハイレベルなスキルを身につけられる教育プログラムをいかに実現するか。多種多様な参加者ひとりひとりが、楽しみながら、21世紀スキルを身につけることができる能力育成プログラムを開発することが、本プログラムのミッションでした。

APPROACH実施内容

  • 丁寧な足場かけによる、"遊ぶ"ように学べるプログラムの開発

    学ぶべきスキルを「自己を認識し、感情や情動に対処できるようになる」「他者と協同/協働できるようになる」ことと、「答えのない課題に取り組める」ことに大別し、それぞれのスキルを習得することができる基礎的なプログラム(それぞれ50分×15コマ)を開発しました。学習目標を出来る限り細かくブレイクダウンし、丁寧な足場かけと遊び心のある活動をふんだんに組み込むことによって、退屈せずに"遊ぶ"ように学ぶことができるプログラムを実現しました。また、個別に学んだ知識やスキルを結びつけながら実践的な課題に取り組み「他者の課題を解決する」ことと「自分の創りたい世界を表現する」ことを両立する感覚を学ぶためのプロジェクト型学習のプログラムも合わせて開発しました。

  • 効果測定によるプログラムの質保証と改善

    2018年度は開発したカリキュラムのトライアルとして、N高生を対象に8日間の連続ワークショップを実施しました。トライアルでは、42名の参加生徒を対象に質問紙調査、ルーブリック評価、パフォーマンス評価などのワークショップの評価手法を活用してプログラムの効果測定を行いました。分析の結果、ほとんどの生徒が学習目標を達成できていたことが確認できました。想定していなかったトラブルや、途中で一部の生徒がやりにくさを感じていた箇所については、その原因を分析し、プログラムの改善に役立てました。

RESULT結果

高校生が遊ぶように21世紀型スキルを磨くことができるオリジナルプログラムの完成

高校生を対象とした21世紀型スキルを育成するための基礎トレーニングプログラムと、学んだスキルを活かして社会の課題を解決したり、新たな価値を創造することを経験できるプロジェクト型の学習プログラムを開発しました。トライアルワークショップと効果測定を通して、参加生徒の「他者と協同/協働する力」「問題を設定し、解決する力」「ビジョンを生成し、アイディアにする力」の向上が達成されたことが確認されました。多様な特性を持った高校生たちが遊ぶように21世紀型スキルを磨くことができる唯一無二のプログラムが完成しました。2019年度以降は本プログラムを多様なフィールドで展開していく予定です。

POINT ポイント

  • 1

    多様な高校生に対応可能な丁寧な足場かけと遊び心のあるプログラムの開発

  • 2

    多角的な評価手法を活用した、カリキュラム全体の効果検証とプログラム改善