PROBLEM課題
五島市の若者流出・若者が離島へ興味を持つきっかけづくり
長崎県の離島、福江島五島市では年々若者が流出しており、五島市を訪れる観光客を獲得することや移住定住の動機形成を行うことが課題となっていました。一方、N高等学校の運営を行う学校法人角川ドワンゴ学園は、通信制高校の高校生への21世紀型スキルや越境学習の提供を目的として、五島市との交流プロセスをつくりたいと考えていました。五島市離島交流事業において、高校生が離島を訪れるきっかけとなる「離島を知る」ための足場がけを行うことに加え、21世紀型スキルを学べるように設計するという2つの課題を解決するプログラムをどう成り立たせるかが本プロジェクトの課題でした。
APPROACH実施内容
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フィールドワークを通じて現場感覚を掴む
ワークショップ実施前には、プロジェクトチームで実際に五島市を訪れ、地域資源の探索や、現地の高校に通う高校生との対談、五島市の行政の方との意見交換を通じて、ワークショップの手がかりを探索するとともに、五島市に足を運んだことのない高校生に対する適切な足場がけの方法を検討しました。
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高校生が様々な「伝え方」を学べるプログラムの設計
他者に物事の魅力を伝えようとするとき、その方法は言語だけに限りません。今回は、N高生に「五島市の新しいロゴデザインを考えること」や「五島市での魅力的な体験をデザインすること」を通じて、五島市の魅力を他者に伝えることに挑戦してもらいました。
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ソトモノの視点で離島の魅力を探る
外の人が惹かれるその地域の魅力は、その地域の暮らしの中に当たり前に潜んでいることが多く、その地域のステイクホルダーだけでは、地域の魅力の発掘が困難な場合があります。今回は、五島市以外の地域に住む高校生に、五島市の魅力について考えてもらうことで、ソトモノかつ若者ならではの視点で、五島市の魅力の発掘を行うことができました。
RESULT結果
高校生が「伝える力」を学びながら離島について知るプログラムの完成
五島市に興味を持ってもらうため、五島市でのフィールドワークの様子を動画で伝え、五島市職員の方にもワークショップに参加いただくなど、丁寧な足場がけを行うことで、高校生が21世紀型スキルを身につけながら、五島市を知り、五島市に興味をもつきっかけとなるワークショッププログラムが完成しました。ワークショップ終了後には、生徒の多くが五島市の魅力に惹かれ、ワークショップに続いて開催されたスタディツアーやインターンでは、28名の生徒が実際に五島市を訪れました。
また、今後、本プログラムを五島市以外の離島でも実施できるよう、簡易のファシリテーターマニュアルも納品いたしました。今後、本プログラムを様々な離島でも展開していく予定です。
POINT ポイント
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1
高校生の課題と地域の課題を同時に解決するプログラムの設計
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2
離島に興味を持ってもらうための丁寧な足場がけ
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3
他の離島地域に展開・応用可能な柔軟なプログラム