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「100年生きる時代」をめぐるワールド・カフェ(イベント参加レポート)

REPORT
Hikaru Mizunami
2018.10.25
「100年生きる時代」をめぐるワールド・カフェ(イベント参加レポート)

※2017年4月4日に開催された香取一昭さん主宰の対話イベント「ワールド・カフェの夕べ」にて、現在ミミクリデザインにダイアローグデザイナーとして所属する和泉裕之がファシリテーターを務めました。今回はその様子をイベントレポートとしてお届けします。
 
 

「LIFE SHIFT」を、多様な世代とともに読む。

2017年4月4日、香取一昭さん主宰による対話イベント「ワールド・カフェの夕べ#35」にて、和泉はファシリテーター兼ホストとして、私は参加者としてお邪魔しました。今回のテーマは、「『100年生きる時代』の人生戦略について考える」。リンダ・グラットンの新著「LIFE SHIFT」を題材に考えを深め合う場となりました。
 
「ワールド・カフェの夕べ」はワールド・カフェの普及活動を展開している団体「マインドエコー」が定期的に開催している対話の場で、対話のいち手法であるワールド・カフェを体験し、日頃関心のあるテーマについて理解を深めることを目的としています。和泉とマインドエコーの代表である香取一昭さんとの年齢差はなんと50歳以上。それでも、こうした年齢差があるからこそ見えてくる新しい発見がある、と和泉は言います。
 

「これからは100年生きる時代です」と言われた時、年齢によって思うこと・考えることのポイントって違ってくると思うんですよね。今回は、そうした違いをワールド・カフェによって可視化しながら、話し合えたらと思っています。

 

 
 

「100年生きる時代」をめぐる対話。

そしていよいよはじまったワールド・カフェ。今回掲げられた問いはこちらの3つ。
 

100年生きる時代において、あなたがもっとも関心のある変化は何か?
 
100年生きる時代をより良く生きるために、わたし(たち)が心がけていくことは何か?
 
100年生きる時代における、『良い人生』とは何か?

 
 

100年生きる時代において、あなたがもっとも関心のある変化は何か?

1つ目のこの問いで多く挙がっていたのは、「健康」の話。なかでも印象的だったのは、70代の男性が語っていた「老い」をめぐるもどかしさのお話でした。
 

若い頃は、動きが遅かったり覚えが悪い老人に腹が立つこともあったんですけど、いざ自分が同じ立場になってくると、昔はできていた様々なことができなくなっていく自分にものすごくイライラしてくるんですよね。最近、年寄りがイライラして怒鳴り散らしたりって話題をよく聞きますけど、あれは生物としての限界を迎えつつある自分たちに対するもどかしさの表れでもあるのかな、って。

 
また、他のチームからは「働き方の変化」や「幸せの基準の変化」といったものが「もっとも関心のある変化」として挙げられていました。
 

 
 

100年生きる時代をより良く生きるために、心がけていくことは何か?

次に掲げられたのが、こちらの問い。そのなかで頻繁に登場したのは、“折り合い”というキーワードでした。前の問いの時に出てきた老いの問題をはじめとした「自身のからだの変化」や、テクノロジーの発達によって起こる「周りの環境や社会の変化」など、様々な変化が同時に起こるなかで、それらとどう折り合いをつけて生きていけば良いのだろうか、と、そんな新たな問いも生まれつつ、お互いの考えを深めっていました。
 

 
 

100年生きる時代における、『良い人生』とは何か?

今回のワールド・カフェのなかで、もっとも多様な意見が出たのが、最後に出されたこの問いでした。「死ぬ時に後悔のない人生は、寂しい。“後悔する”というのは、他にもいろんな可能性に恵まれていたという証だから」と話す人もいれば、「物事を自分で判断しながら、主体的に生きていく人生」と言う人もいました。そしてその中でも「良き理解者がいる人生」と答えた方の意見がとても印象的でした。
 

外から見ると「失敗」と言われるようなことでも、自分の中ではまったく失敗ではなかったりする。逆に、外から見て成功と言われることが、本人のなかでも成功とされているとは限らない。そういったなかで、孤独にならないためにも、そうした自分なりの意味づけを理解してくれる誰かがいることはとても重要だと思うんです。

 
この日の対話からもわかるように、私たちの考え方は人それぞれであり、様々な生き方が存在します。「LIFE SHIFT」によればこれからもさらに多様になっていくそう。そうした流れの中で自分なりに考え、そしてその考えを深いレベルまで理解できるような人がいることや、考えを共有できる今回のような場があることは、今後より価値のあるものになるのだろうと感じました。
 


 
 

これから先の日常に対する、問い。

そして最後に和泉から全体に向けて、このような問いが投げかけられました。
 

「これから先、自らの人生や日常でもっと考えていきたい問いは?」

 
それに対する答えを、おのおのポストイットで張り出しました。
 


 
「問いかける」という行為は、問いかける対象が自分であれ他の誰かであれ、非常に主体的な活動であり、同時に、対象をより深く理解したいという欲求の表れでもあります。今回の場でも、そうした“問い”を大事にしようとする和泉の姿勢が印象的でした。そうした姿勢が、冒頭のお話にもあったような、様々な世代の人がお互いのリアルな心情や考えを表明しながらゆっくり深く交流していく場の形成につながっていました。
 


文・編/Hikaru Mizunami
写真/Tomohiro Yagihashi

▼参加者募集
11/12(月)19:30-22:00、東京大学本郷キャンパスにて、香取一昭さん・大川恒さんをゲストにお迎えし、公開研究会「ホールシステム・アプローチの過去・現在・未来」を開催します。興味のある方はぜひご参加ください。
公開研究会「ホールシステム・アプローチの過去・現在・未来」

 

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